「異音の確認」ってなあに?

電車が止まる理由はさまざま。
人が原因だったり、機械の故障だったり、自然の仕業だったり。
私たち駅員は、運転見合わせの理由を聞いたときに、これだったらだいたい何分くらいで再開するだろう、と経験則からなんとなく分かります。
皆様の中にも、日々使うなかでわかってきた方もいるのではないでしょうか?
電車が止まってしまったときに自分で判断して動けると、意外と遅れずに目的地に到着出来ます。
(止まった電車に乗っておらず他に代替手段がある場合、にはなってしまいますが…)

みなさまの生活に生かせるかなあと思い、これから何回かに分けて、運転見合わせの原因について書いていこうと思います。

その1「異音の確認」
電車が走っている最中に、床下から「ドンッ」と突き刺すような音がした時に、電車は緊急停車し、しばらく運転を見合わせます。
こういう時につかうのが、異音の確認です。
再開まではだいたい【10~20分】くらい。

ほとんどが、カラスなどの鳥たちが線路の上に置き石をすることで発生します。
(あの細い線路の上に置くなんて器用ですよね…。本当にやめてほしい。切実)

●再開までの流れ
関係箇所と連絡を取り付近を走る列車を止めたあと、運転士さんが線路内に降りて、車両の下をすべてチェックします。運転士さんは担当車両の最高責任者なので、このまま走行しても安全かを素早く確認します。

電車の両側から確認が必要なため、かかる時間は何両編成かによります。
1両=約20mなので、10両編成だと片道約200m。
計400mもの距離を運転士さん一人で確認します。
しかも足元は石だらけで、走ることも難しく…
お客さまの為に早く運転再開したいと願っていますが、安全性も怠ってはいけない。
運転士さんはいろんな想いを抱えて一生懸命点検します。

置き石の場合は、線路に石が砕けた跡があるので、それを見つけたら一安心。
この一報を聞いたときは、駅にいる私たちもホッと一息つけます。
他に何も問題がなければ、運転士さんが運転台に戻って準備を整えたら運転再開となります。


おわり