「踏切内の安全確認」ってなあに?

電車が止まる理由はさまざま。
人が原因だったり、機械の故障だったり、自然の仕業だったり。
私たち駅員は、運転見合わせの理由を聞いたときに、これだったらだいたい何分くらいで再開するだろう、と経験則からなんとなく分かります。
皆様の中にも、日々使うなかでわかってきた方もいるのではないでしょうか?
電車が止まってしまったときに自分で判断して動けると、意外と遅れずに目的地に到着出来ます。
(止まった電車に乗っておらず他に代替手段がある場合、にはなってしまいますが…)

みなさまの生活に生かせるかなあと思い、これから何回かに分けて、運転見合わせの原因について書いていこうと思います。

その2「線路内の安全確認」
踏切についている非常ボタンが押されたり、遮断棒が閉まりかけたところに駆け込んだりすると、付近を走る列車は緊急停車し、安全の確認がとれるまで運転を見合わせます。
こういう時に使うのが、「踏切内の安全確認」です。

運転再開までは、
①非常ボタンが押された場合は【10~?分】くらいで
②遮断棒が閉まりかけたところに駆け込んだりすると【5分】くらいです。

●運転再開までの流れ
①非常ボタンが押された場合
人やモノが線路内に入ってしまっている場合は、まずは外に出たことを確認します。その後、鳴りっぱなしの非常ボタンを止め、運転士と車掌が最終確認をして運転再開となります。このようにすんなりと外に出てくれた場合は10分くらいで終わります。
しかし、人が線路内を歩いていったなんて時には、冷や汗モノです。いつ運転再開できるかわかりません…。
また、自動車が脱輪して動けない、とかも………。

②の場合
実は踏切にはびっしりとセンサーがついていて、遮断棒が下がった後に中に人やモノがあると、センサーが反応して、電車が入ってこないように赤信号になります。
赤信号になると電車は前には進めないので、一旦その場で緊急停車をします。
その後、センサーに引っ掛かった人やモノが踏切の外に出ると赤信号が消えるので、運転士と車掌が打ち合わせをして運転再開となります。

踏切が閉まりかけたところに駆け込みたくなってしまうのはわかりますが、これの影響で電車が1~2分遅れたりするので、ぐっと我慢してもらえると嬉しいです。



ちなみに、踏切の非常ボタンの正式名称は"踏切支障報知装置"で、とてつもなく言いづらい(笑)
訓練で何度言い間違えたことか…。


おわり

乗降のお手伝い

券売機でICカードにチャージして、自動改札機にピッとかざしてスイスイ乗車。
降りる時もピッとタッチするだけで、運賃がチャージ残額から引かれて終わり。

人がやっていた仕事が、どんどん機械に置き換わっていく今の時代。

そんな中でも、人にしか出来ない仕事があるので、私たち駅員は存在しています。

そのうちの一つが、介助が必要な方のお手伝い。
車イスを使っている方、足腰に不安がある方、目の不自由な方など、さまざまな事情を抱えた方が頼ってきてくれます。

車イスをお使いの方が、電車に乗るときの障害になる段差を解消するために板を敷いたり、歩行時に不安がある方が、多くの人が行き交うホームの上を安心して通行するために自らがガイドとなって先導したりします。

中には気さくに話しかけてくださる方もいて、お客さまと直にコミュニケーションを取れるのがとても楽しいと思える仕事です。

最近、いつも歩行時の介助をさせてもらっているご年配の男性から
「ソーシャルディスタンスとしきりに言われているけど、こうして私と密接してしまうのは気にならない?」と尋ねられました。

歩行介助をする際は、私たちの腕をつかんでもらって一緒に歩くので、どうしても距離が近くなってしまいます。そのことを気にして声をかけてくれました。

むしろお客さまのほうが気にならないか心配だと返答したところ、

「こうして手伝ってもらえて嬉しい」と言ってくださり、何だか暖かい気持ちになりました。


駅はまだまだバリアフリーが進んでおらず、人の手を借りないと利用できない方々も沢山います。いつか、どんな人でも電車に自由に乗り降り出来る世の中になるといいなと思いつつ、こういう人と人とのふれあいがなくなるのは寂しいな…とも考えてしまいます。

何が良いのか、試行錯誤の日々ですね。

「異音の確認」ってなあに?

電車が止まる理由はさまざま。
人が原因だったり、機械の故障だったり、自然の仕業だったり。
私たち駅員は、運転見合わせの理由を聞いたときに、これだったらだいたい何分くらいで再開するだろう、と経験則からなんとなく分かります。
皆様の中にも、日々使うなかでわかってきた方もいるのではないでしょうか?
電車が止まってしまったときに自分で判断して動けると、意外と遅れずに目的地に到着出来ます。
(止まった電車に乗っておらず他に代替手段がある場合、にはなってしまいますが…)

みなさまの生活に生かせるかなあと思い、これから何回かに分けて、運転見合わせの原因について書いていこうと思います。

その1「異音の確認」
電車が走っている最中に、床下から「ドンッ」と突き刺すような音がした時に、電車は緊急停車し、しばらく運転を見合わせます。
こういう時につかうのが、異音の確認です。
再開まではだいたい【10~20分】くらい。

ほとんどが、カラスなどの鳥たちが線路の上に置き石をすることで発生します。
(あの細い線路の上に置くなんて器用ですよね…。本当にやめてほしい。切実)

●再開までの流れ
関係箇所と連絡を取り付近を走る列車を止めたあと、運転士さんが線路内に降りて、車両の下をすべてチェックします。運転士さんは担当車両の最高責任者なので、このまま走行しても安全かを素早く確認します。

電車の両側から確認が必要なため、かかる時間は何両編成かによります。
1両=約20mなので、10両編成だと片道約200m。
計400mもの距離を運転士さん一人で確認します。
しかも足元は石だらけで、走ることも難しく…
お客さまの為に早く運転再開したいと願っていますが、安全性も怠ってはいけない。
運転士さんはいろんな想いを抱えて一生懸命点検します。

置き石の場合は、線路に石が砕けた跡があるので、それを見つけたら一安心。
この一報を聞いたときは、駅にいる私たちもホッと一息つけます。
他に何も問題がなければ、運転士さんが運転台に戻って準備を整えたら運転再開となります。


おわり

マイナポイントの申請はお済みですか?

2020年9月から始まったマイナポイント事業。
所定の手続きをすれば、誰でも5000ポイントをもらえるのだが、その手続きが少し複雑なため、知っているけどやっていないという人も多いのではないでしょうか?

交通系ICカードSuicaPASMOもポイント事業に参入しているため、よくお客さまからお問い合わせを受ける。

そのほとんどが高齢の方で、マイナンバーカードとICカード、それからマイナポイントをもらうためにやることがびっしり書かれたメモを握りしめて
「私も5000ポイント欲しい!」ときらきらした瞳で私たち駅員に訴えかけてきます。


しかし、駅で出来るのはICカードに名前を登録してあげることくらい…
実際にポイントを貯めるためのアカウントの作成とICカードとの紐付けは、マイナポイント専用アプリやコンビニでしかできないのです。

そのきらきらした瞳を見るたびに、申し訳ない気持ちになります。
そして役所で受けてきたであろう説明を再び繰り返す…。

一緒に操作してやってあげたいのは山々ですが、マイナンバーは個人情報の塊で、会社からも特に扱いを厳しく指導されており、なかなかそこまで踏み切れないのが現状です。

こんなとき思うのです。
「家族がやってあげれば………!」

特別な時にご馳走してあげたり、旅行につれていってあげるのも大事ですが、やはり困ったときに助けてあげてこそ、愛だとつくづく感じました。

しばらく家族と連絡取ってないなあと思った方、ぜひ「マイナポイント申請した?」と電話でもしてあげてください。

私も早速、母の分をやってあげたところ、嬉しそうでした。関心をもってあげることも大切ですね。




○マイナポイント申請のざっくり手順
1. マイナンバーカードを作る
(約1ヶ月かかります。私は2ヶ月かかりました。住民票のある市区町村の混雑具合によるようです)

2. マイナポイントをどの決済サービスのポイントで貯めるか決め、アカウントをつくる(SuicaならJRE POINT、PASMOならPASMOマイナポイント等)
https://mynumbercard.point.soumu.go.jp/service_search/
↑ここから提携事業者が検索出来ます
※一度決めたら後から変えることは出来ないので、日々を思い返してずっと使うであろう所にしましょう

3.マイナンバーカードと決済サービスのアカウントを紐付ける

4.紐付けた決済サービスを利用する
(2万円使うと今回のキャンペーンの最大ポイント5000ptがもらえます)

4までやって初めてポイントになります。
また、このキャンペーンは2021年3月までなのでお早めに~!

近況報告 ~最近の駅はこんな感じ~

コロナウイルスと闘いながらの生活にも慣れてきてしまったせいか、大半の人が"普通"に過ごすようになったように感じる今日この頃。

緊急事態宣言中は、「マスクをしていない人がいるから注意して!」「マスクを駅で配れ!」などと感染防止対策に関するクレームが多かった。中にはマスクが欲しいために「これからノーマスクで乗車するけど、駅員さんそれでもいいの?」と脅してくる方もいた。ガスマスクに、お医者さんが付けるようなビニール手袋をした人に話しかけられたときは、ぎょっとしてしまったのを今でもよく覚えている。

そんな混沌とした時から数ヶ月経ち、もうそんなことを言ってくる人はほとんどいない。
平日のお客さまもコロナ前の7割くらいまで戻ってきたし、GoToキャンペーンの効果もあって旅行客も増えた。

人々の慣れるスピードは本当に早いなと思う。
特に、自由になる方向への慣れには凄まじいスピードで適応するなあと思う。

今は、駅で用意している消毒液を使う人は10人に1人くらいで、減りもだいぶ遅くなった。
マスクも、聞こえづらいと考えているのか、話すときにわざわざアゴまで下げてしまう方が多い。
そもそも最初からアゴの下にセットされている人もいる。

今までの感染防止対策が、人々にとって窮屈だったんだとしみじみと感じる。

でも、それでいいのかなあ?
大切な人が感染しないとわからないのだろうか?

ニュースでも医療現場の逼迫した現状を一生懸命伝えているが、本気で心配している人はどれだけいるだろうか?

「なんとかなる」と思ってないだろうか?

「なんとかする」と考えて行動できるみんなになりますように。
と駅から祈っています。

恵みのテイクアウト

新型コロナウイルスにより生活様式が見直され、さまざまな業界で改革が進められているが、駅員にも思わぬ恩恵が現れた。

それは、ランチのテイクアウト…!


以前のエントリーで書いたように、なかなか外で食べられない私たちは、地元の美味しいお店を見つけても指を加えて見ているしかできなかった。

しかし今では、いつもは食べられない本格的なお店の味を駅で味わえるように!

なんという恵み…


この時代の変化にとても感謝しました。


また、制服で行くとすぐに覚えてもらえるのも特権。
(恥ずかしいけれど…)

来店2回目なのに「いつもありがとうございます」と声をかけてもらえたりします(笑)

こうして地域の方とつながりを持てるのも楽しい。

もっと駅のある地域のことを知りたいな~

移動を制限される日が来るなんて

"新型コロナウイルス"

この言葉を何回聞いただろうか。
もう6ヶ月が経った。
最近また感染者数が増えているが、数百という数にもはや驚かなくなった。

駅にもお客さまが戻ってきている。
しかし、この状況になる前の水準には全然届かず、私の勤めている会社も危機的状況だ。

「移動が制限されるなんて」

こんな状況になると誰が想像しただろうか。
グローバル時代が来ると叫ばれ、世界中をラクに行き来出来るようになったが、ウイルス1つで一気に国境が閉鎖された。
自粛ムードでどこにも行けず、家で過ごすしかない…
息が詰まるなあ。
不自由だなあ。

みなさんもそう思ったのではないだろうか?



しかし私は逆だった。

むしろ時間が増えて自由になった。

誤って買った切符の払い戻し、学生さんへの通学定期券のご案内、トイレや駅周辺の案内、お身体の不自由なお客さまのご案内、通勤ラッシュ対応、遺失物の登録など
やらなくてはならないことが沢山ある。

しかし、皮肉にも人々の移動が減り、それらの仕事も少なくなった。

また、通勤ラッシュによる列車の遅れや人身事故も減り、常にピリピリして仕事をしなくてよくなった。



はたして、何をもって自由と言えるのだろう、

と思った今日の泊まり勤務。