入場券
電車に乗らなくても、駅構内に入るには入場券が要る。
昔は、お見送りやお手洗いの利用など、それ相応の理由があれば、「はいよ~!」と駅員さんが入れてくれたかもしれないが、今は駅構内の施設が充実してきたため、人が集まりやすくなってきた。
だから本来の目的である電車に乗る場所としての秩序を維持するために、入場券を買ってもらっているのだ。
鉄道会社にもよるが、だいたい130~200円。
そして駅の構造や周辺の施設の状況によっても違うけれど、大抵の場合、トイレに入る時にも買ってもらっている。
改札の駅員としては、秩序維持のために毎回丁寧な説明を心がけるのだが、
「そうだよね。」と納得してくれる人は少なく、
「え!なんで!」と怒り出す人や、
「ケチだなあ!」と呆れる人、
など反応はさまざまである。
そもそも入場券に対して肯定的な人は、自ら買って私たちの知らないところで入出場しているのであって、改札に事情を説明に来るお客さまは、なんとかしてくれないかという思いを抱きながらくるのだから、この反応は素直な反応かなあとも思う。
先日も、改札内のお手洗いに行きたいというおじいちゃんが来た。
入場券が必要だということを伝えると、
「え!そうなの!」と少し不服そうな顔。
しかしすぐに
「チップだね。外国みたいでなんか洒落てるなあ!」とにんまり顔に。
素敵な返答が出来ればよかったが、そうですね~と笑いあって終わってしまった。
今日もお客さまのユーモアに救われています。
そして、言葉の使い方を学ばせてもらっています。
一言でお客さまを笑顔に出来る駅員さんになりたいなあと思いながら、今日も改札に立ち続けます。