定期券の解約

学校が休校になり、仕事もテレワークでするようになって、定期券を解約したい人が沢山いらっしゃるようになった。


最初から「定期の解約をしたいです」
と申し出られる方は少数で、


「日にちを伸ばしたいです」
(使わなかった日数分、有効期間を延長してほしい)

「利用開始日の変更をしてほしい」


…とみなさん自分が希望する手続きを口にされる。


その度に、定期券についてのルールはあまり知られていないんだなとつくづく思う。


窓口できっぷを発売する際、変更やキャンセルの説明は求められなければしない。
鉄道の利便性を上げるため、そういう説明は省いて良いことになっているのだ。

(5分後に発車する列車に乗りたいのに、キャンセルのこととか説明されてもやめて~ってなるでしょ?)



しかし、駅員が発券し、お客さまが購入した時点で契約が交わされたことになり、その後の取り扱いは旅客営業規則に則って行われます。

…めっちゃ分厚いので、駅員でもめったに見ない。

しかし、お客さまから求められたら呈示できるように、窓口や改札に置いてあります。納得できないお客さまに「根拠出せ!」と言われると必死こいて探します。汗)


何気なく使ってる券売機でも、鉄道会社と契約を結んだことになるのです。



今回テーマにしている、定期券も同じ。

「通学定期券は学生の身分を証明するものを携帯して利用すること」
なんていうことも規則に書いてある。

私は駅員になるまで知りませんでした。
(何度か不携帯で使ったことがあります…………)

あとよく見かけるのが、他の人の定期券を使って電車に乗ること。
これは立派な不正利用です。

鉄道会社は、契約者である定期の名義人と契約しているので、本人以外は使えません。

しかし、沢山の人が行き交う駅。
改札でバレることなんてほとんどありません。
みなさまの良心に任せられています。

(ただ、そういう時に限ってICカードタッチが上手くいかなくて改札で処理してもらうことになるのでご注意を。駅員さんは一見ぼやっとしてそうで、不正を見つけるのは大得意です。)


そして、定期券の解約は基本、1ヶ月単位です。
日割りの払い戻しはできません。
申し出た日から1ヶ月以上残っていないと解約しても戻ってくるお金はないのでご注意を。
(6ヶ月定期とかだと、5ヶ月使った時点で元がとれていて、1ヶ月以上残っていても払い戻し金額0円の場合もあります)

また、一度購入してしまったら、使わなくても変更は出来ません。一度解約してから買い直しになります。



日常的に使う契約のわりに、結構複雑だなと思います。
1年目は覚えるのに必死でした…
今もまだまだ勉強中です…


定期券の解約なんて、ほとんどの人が考えてなかったことだと思います。

それだけ鉄道が生活の一部になっているということなのかなあと思い、しみじみ。


使いきるのが普通だった定期券を、窓口にきて払い戻す。
そんな不安を抱えたお客さまに少しでも安心を届けられればいいなと思って最近は働いています。




追伸:
今は特別な状況なので、かなり緩和して払い戻しを行っている会社が多いです。
ホームページでチェックしてみてください。
(ベテラン駅員でも少し考えないと正しい対応ができないくらい複雑になっているので、理解して来てくださるととても助かります!)