駅のシャッター

泊まり勤務の翌朝は、お客さまを迎え入れる準備から始まる。


エスカレーターを動かして
エレベーターを点検して

ホーム上に何も問題がないか、くまなく巡回をする。


日が昇る前の、シーンとしたホームを一人で歩いていると、駅にいるのが嘘みたいで

鳥の声なんかが聞こえると、あれ、ここどこだっけ?
と思ったりもする。


しかし駅員の朝は忙しく、そんな余韻に浸ってる暇はない。すぐに我にかえって、営業準備をする。

入鋏印(きっぷに押す日付スタンプ)の日付確認、
券売機立ち上げ、
その他もろもろ雑務、
その合間に掃除。


あっという間に駅のシャッターを開ける時間となり、営業開始となる。
これが遅れてしまうと、たちまち社内外でニュースになってしまう。
本当に時間に厳しい会社に入ってしまったなあとつくづく思う。


シャッターを開ける瞬間は、何かがスキマから入ってきそうで結構どきどきする。


夏場なんかは終電を逃した人が寝ていたりして、びっくりすることも。


始発を待っていた人は、待ってましたとばかりに改札へまっしぐら。


そんな姿を見届けたら、やっと一息つける。



「今日も時間通りに始められてよかった。」